製薬企業さんの主催する”勉強会”は「製品説明会」である

説明会 薬剤師卒後研修
説明会

pharmasahiroです.
今日は薬の勉強について私見を述べます.

薬の勉強は誰かから教えてもらうものなの?

「薬の勉強するなら製薬企業さんから教えてもらおう」
なんて意見を耳にします.

確かにMR(医薬情報担当者,製薬企業の営業担当)さまからの資料や説明は非常に明確な言葉で書かれており,
頭には入ってきやすいのやもしれません.
美味しいご飯(弁当)もありますし.

企業主催の勉強会は「勉強会」ではなくて製品説明会

ただし,断言します.
それは「製品の説明会」であって,
決してそれだけを鵜呑みにして臨床行動をするものではありません.

企業は利益を上げなければならない組織です.
株式会社ではその利益を株主に還元することが至上の使命となります.
(もっとも,利益は結果であって目的ではないのですが)

つまり,「製品を売る」(この場合は例えば処方・調剤をしてもらう)という目的を着実に達成するために,
「勉強会」なるものを主催するのです.
そこで製品を覚えていい印象を持ってもらえば御の字.
処方や調剤がなされれば大成功となるわけです.

当然,自社製品にとって良い印象のデータしか出さないでしょう.
代用のアウトカムの改善,グラフをうまく見せた印象操作,他社製品との比較…etc
心理的な効果もフル活用して,とにかく「あの製品はいいものだ」という印象を相手に持ってもらう…

そんな,企業努力バイアスに塗れた(まみれた)資料をみて,
本当に臨床的に妥当な判断が下せるのでしょうか.

とはいえ企業さんから教えを請うことも大事

もちろん,こういった勉強会が全て悪で,
我々臨床家にとって全てが無意味であるわけでは決してありません.

卑近な例ですが,随分前にインスリン製剤の各種デバイスの説明会をその当時所属していた組織内で実施してもらったことがあります.
もちろんインスリンは入っておらず,水だけが入ったものを皮膚に精巧にみたてたスポンジ(?)に皮下注射をしてみたのですが,
それぞれのインスリン製剤によって注射する際の力の掛け方から,抜き方,注射前の針のセットの仕方までを,自らの手でやってみたことは非常に勉強になりました.
まさに百聞は一見に如かず.これは企業さんからの協力がないとなかなか学べない内容でした.

つまり,製品の詳細な組成だったり,デバイスの詳しい構造などは企業さんから学ぶべきで,
また企業さんはそういうところに力を入れて欲しいと思っております.

ただし,学ぶべきはそこまで,です.
それ以上の「実践的・臨床的な薬の使い方」は自分の力で論文を読むなどして勉強しましょう.

まとめ

企業さんから学ぶべきことと,
自分の手で情報を探して吟味して活用することとを,
きちんと区別をして,線引きができるようになりましょう.

今日はここまで.
それでは▽