スカッとする答えなんてない〜患者といっしょにモヤモヤ悩み続ける覚悟を植え付けることがこれからの最高の卒後研修になる〜

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pharmasahiroです.

今日は薬剤師含めた医療職の卒後研修会について私見を述べます.試験だけに.なんちゃって.

「正解」を与える座学的研修会はもう要らない

今でも卒後研修と銘打って全国各地でいろんなセミナー・卒後研修会が開催されていますよね.

ネタもトピックスも登壇する講師も千差万別.

疾患,病態,薬理,動態,製剤,推論などなど,

一人の人間が一生かけても学びきれない内容が生み出されては各地で消費されていることでしょう.

各地で学びの場が提供されていること自体はとても喜ばしいことです[注1].

ただですね,

ここ数年実は自分はほとんどこういった研修会には参加していません.

(自分で主宰・講師をするものは別ですよもちろん)

特にめっきり出なくなったのが,

いわゆる座学中心の卒後研修会です.

講義形式で知識だけを次から次へと詰め込ませるような研修会のことです.

なぜか.

どうもですね,教科書に乗っているような,

いわゆる「真偽がはっきりしている」「国家試験合格対策みたいな」「知識だけしか手に入らない」講義にはもううんざりしてきたんですよね.

もちろん教科書はとても大事な勉強資料ですし,知識だって大事ですし,そもそも国家試験に受かるだけの学力がなければそもそも患者の目の前に立つ資格・資質すらないバカではありますから,

そこは絶対に避けては通れず,一度は通らないといけない道ではあるでしょう[注2].

でもですね,一度臨床の現場に出た以上はもっと違った研修会の方が有意義なようにも思えるんです.

座学だけではなく症例を皆で検討するような研修会をもっと増やそうよ

臨床の現場では兎にも角にも目の前の患者ありきです.

どれだけ勉強して知識を詰め込んでも,

いざ患者に適用できなければ意味がありませんし,

そういった勉強行為もただの自己満足でしかありえません.

ではどうするか.

対策は簡単.

仮装でも実症例でもいいので,

患者のこれからについて考えるような研修会を開けばいいんです.

まぁつまり症例検討会と言うものです.

それも提示された症例を自分一人で考えるのではなく,

5,6名のグループで一緒に知恵を搾り出しながら患者の今後を考えるんです.

まぁつまりスモールグループディスカッションと言うものですよ.

なぜ症例検討会・グループディスカッションが大事なのか?

「なんでそもそも症例検討会なんかに出ないといけないの?」

「しかもグループディスカッションなんて面倒」

なんてやる気のない言い訳みたいな声が聞こえそうですが,

理由は明確で,

臨床では画一的な答えなんてあり得ないからです.

同じ病気病態,治療法でも患者によって受け取り方やその後の行動は本当にバラバラ.

頻繁に受信する人もいれば,全然治療に乗り気でない人,

一見すると単純そうでも実は紐解くと裏が深い症例

…などなど.

画一の知識だけ持っていては何にも太刀打ちできない,貢献できないことを毎日思い知らされます.

毎日モヤモヤします.答えなんて一切ありません.

そして一回の面談で全て解決なんてもっとあり得ません.

ずっと患者と一緒に悩んで行かないといけない場合だって大いにありえます.

 

だから一人一人の患者をしっかり責任持ってフォローしてゆく能力と覚悟が必要で,

症例検討会やグループディスカッションはもっとも手っ取り早くそう言った臨床能力や覚悟を鍛える場になれるからなんです.

グループディスカッションなんて苦手!な方へ〜逃げてないで勇気を出しなさい患者や他職種から逃げられるぞ〜

症例検討会やグループディスカションが非常に苦手で,とにかく発言が億劫な方もいらっしゃるでしょう.

でも,そこを勇気を振り絞ってえいやっと発言してみてください.

ご自分でも意外と思うほど同じグループのみなさんは意見を受け入れてくれるでしょう.

なぜかと言うと,グループのみなさんもあなたと比較してそんなに知識量や度量に差はないからです(言い切りプチ暴言.

グループディスカッションでの重要なルールの一つに,

「相手の意見を頭ごなしに否定しない」

というものがあります.

このルールは言葉こそ違えどだいたいどんな症例検討会でも暗黙のうちに実施しているもので,

これがあるおかげで皆が臆せず自分のみたてを発言できるのです.

議論をする際の最低限の守るべきルールと言ってもよいでしょう[注3].

だからみなさん,

一度騙されたと思って,思い切って症例検討会に参加してはいかがでしょうか?

自分の今までの経験,得られた知見,学んできた知識,

その全てを目の前の患者さんに適用する練習をしてみましょう.

おまけ

「そんな研修会なんてない!」とお困りの方は,我らJJCLIPにご参加ご視聴ください.

全国各地からのネットを介したバーチャルな抄読会を毎月一回用意しております.

 

これからの臨床を担う重要な一人の医療人になるべく,

まずは正解だけを与える研修会への参加はお控えなさった方がいいでしょう.

 

今日はここまで.
それでは▽

【注釈】

注1.とはいえ今でも都市部と地方との学びの格差は非常にあると自分は感じております.

注2.もっと言うなら,むしろ学生の身分だけが通ることを許された道,と表現してもいいでしょう.

注3.反対にこういった最低限のルールすら守れない人は絶対に議論の場には出ちゃいけないでしょう.