症候診断ってなに?

pharmashairoです.

今日は少し雑感と今後の当ブログの方向性についてお話いたします.
症候診断,ご存知な方もいらっしゃると思いますが,簡単に言うと,

「ある主訴を持つ患者さんの状態を適切に把握し,その後の経過を予測でき,それに基づいてどうすればいいのか判断し,具体的な行動ができること.またはそのための具体的な思考過程」ではないでしょうか.

前半が症候診断,後半は臨床決断と呼ばれます.
(細かな定義云々の違いはご容赦ください)

症候診断は診断なんだから,それは医師の専売特許でしょ,と思われる方がいらっしゃいますが,正確には医師が法的に(医師法17条)行う診断とは病名診断のことで,症候診断とは異なるものです.

例をあげて見てみましょう.

例えば,薬局に来局した方から,「頭がいたいから頭痛薬が欲しい」と言われて,それを特に深く確かめもせずに鎮痛薬を売ることは,商売としては正しいのやもしれませんが医療者としては不適格でしょう.

“頭がいたい”と言う主訴に対して,それがどんな原因に由来するものなのか,鑑別疾患を挙げ,それらと現在の状態から緊急度と重症度を推測し,少なくとも市販薬で様子がみられる(=今すぐ病院を受診しなければならない訳ではない)と判断した結果,鎮痛薬を販売するのです.

この一連の思考過程が症候診断であり,最後にどうするのか決めて行動するのが臨床決断なのです.

読者の方々,特に一般市民の方々からは我々薬剤師がそこまで深く考えているように,傍目からは思えないのやもしれません.しかしながら,少なくとも「ちゃんとした」医療者であるならば,上記の過程を短い時間で思考した結果,みなさまにお薬を販売しているのです.

これは別段薬局店頭に限った話でも何でもありません.
他の例として,昨今話題に挙がってる在宅医療現場でも当てはまるでしょう.

訪問薬剤師として患者宅や施設に伺った際に,患者の様子が「どこかいつもと比べておかしい」と気づいた際に,
(ここもとても重要,いつもと比較しての変化を感じ取れるよう普段からコミュニケーションもとっておきましょうね)
「何だかよくわかないんだけれど看護師や医師に任せればいいでしょ」
といった対応をしては,素人未満です(未満,と言うところが重要,患者家族や施設スタッフもこれからどうすればいいのか自分たちで考えているはずです).

「主訴が持病の悪化なのか,それとも新しい病気の現れなのか,それとも使用薬の有害事象なのか,またそれらだったとして,今すぐに何かしら行動すべきなのか,行動するなら訪問医を呼ぶのか,もしくは救急車を呼ぶのか.それまで何をしていればいいのか(突っ立ったままで何もしないなんて有り得ない).または待てるか.待てるとしたら明日までかそれ以降なのか,それまで何に気をつけていればいいのか…etc」

など,考え始めたらキリが無いように見えますが,こういった思考を巡らて,結果どうするのか貴方(貴女)自身がその場で「決断」できるようになって欲しいと思いますし,決断できなければなりません.いち医療者として.

偉そうなこと言っておいてなんですが,私だってこれらのことがいつでもどこでも瞬時に的確に要領よくテキパキできるかといえばそんなことありません.まだまだ勉強,実践,訓練中です.

大事なのはできるかできないかと言うことに加えて,「(訓練含めて)やるかやらないか」です.

今すぐ,この記事を読んでくださったのであれば,すぐにマインドを切り替えましょう.

目の前の患者さん,来局者さんの状態を把握し,今後どうすればいいのかを考え決断できるようになろう,と.

とはいえ,いきなり「思考と行動ができるようになれ」とは幾ら何でも理不尽な言い分ではあるでしょう.自分だってそんなこと言われたら反発します.

では,一緒に学んでゆきましょう.
当ブログでも,今後は症候診断や症状対応,患者さんからの問診の方法など,私自身が学んでいることや体験したことを,できる範囲で公開してゆく予定であります.

今日はここまで.
それでは▽