労働のストレスはどれくらい身体に悪いの?

pharmasahiroです.

ゴールデンウィークも最終日,みなさまいかがお過ごしでしょうか.
「しっかり遊んで楽しんだ!」という方や,「観光地に行って癒された!」という方もいらっしゃると思います.

さて,「明日から仕事かぁ,はぁストレスやわぁ…」というわけなのですが,
ふと,

 仕事のストレスが身体に悪いとは聞くけれど,それってつまりどれくらいなんだろう???

という疑問がよぎりました.

そんなこんなで,今日はこのネタで文字を綴ってみますね.

【見つけた論文】
実はハチミツに関する以前の記事を書いていたら,偶然こんな論文も見つけていたんです.

Work stress and risk of cardiovascular mortality: prospective cohort study of industrial employees.
Kivimäki M, Leino-arjas P, Luukkonen R, Riihimäki H, Vahtera J, Kirjonen J.
BMJ. 2002;325(7369):857.
PMID: 12386034
PDFはこちら

【論文要約】
P: 1973年の時点で心血管疾患のリスクのない812人の労働者(男性545人,女性267人,)
E: 労働でのストレスを感じている場合
C: ストレスがない場合と比較
O: 心血管疾患により死亡
T: 観察研究(前向きコホート,平均追跡期間は25.6年)

調整した交絡因子:sex, age, occupational group (managers, other office staff, skilled workers, semiskilled workers), smoking status (current smoker, non-smoker), physical activity, systolic blood pressure (mm Hg), serum total cholesterol concentration (mmol/l), and body mass index (kg/m2).

仕事のストレス,特に,仕事の緊張(job strain)と,

努力‐報酬不均衡モデル(Effort/Reward Imbalance Model: ERI モデル):努力に対して報酬が少ないと感じることで生じるストレス

と心血管死亡との関連を調べた観察研究のようです.

そのストレスの調べ方は本文の「Work stress questionnaire
」参照.すでに確立された質問票を使って,仕事の状態(自身で仕事内容をどれだけコントロールできるのか,など)やストレスの度合いを測定しているようです.

【結果は何か】
上記交絡因子を調節した結果,心血管死亡は以下のようになりました.

HR (95%CI)
仕事の緊張
Low 1.00
Intermediate 1.64 (0.85-3.19)
High 2.22 (1.04-4.73)
努力‐報酬不均衡
Low 1.00
Intermediate 1.91 (0.90-4.05)
High 2.42 (1.02-5.73)

* Table 3.を参照
* 死亡の絶対数やくわしい内訳などはTable 1. および2. 参照

【批判的吟味】
・平均ですが追跡期間が25年ほどであれば労働によるストレスと心血管死亡とを調べるにはそこそこ十分な期間ではないか(ただし,研究開始時点での年齢が本文からは不明).

・観察研究であり,あくまで仮説生成的な結果である

.ただし,ストレスと心血管死亡との関連をRCTなどの介入試験で調べるのは倫理的に許されにくいものであるため,この結果を無意味ととるものでもない

【論文を読んだ後はどうする?】
労働のストレス,特に「仕事と報酬が見合っていないことで発生するストレス」が心血管死亡の増加と関連があるのではないかという報告でした.

なんとなくそうかなぁと思っていたのですが,こうやってエビデンスとして示されていると,やはり(過度な)ストレスというものは怖いなぁと痛感しますね(小並感)

 

今日はここまで.
それでは▽