ビール腹って本当になるの?

pharmasahiroです.

暑さが少し気になりだしてきた初夏の季節.
こんな季節は朝からビールなんぞ飲みたくなりますよね?

…よね?!(飲んだくれの言い訳なんて言わないでネ!)

「昼間は明るい夜だよね〜」(もうどうしようもないだめんずですねあはは)

冷えたビールに恋い焦がれ,想いに胸を踊らせて,吸い込まれるように冷蔵庫へ…

 

…とその時,妻からふとした質問が.

「貴方,そういえばビール腹って本当にあるの?」

…ほぅ(キラリ)

さて,今回の記事はそんな夫婦ののほほんな会話(?)から始まったものです.

Googleにて「beer consumption and obesity 」で検索.

【見つけた論文】
Alcohol Consumption and Obesity: An Update.
Traversy G, Chaput JP.
Curr Obes Rep. 2015;4(1):122-30.
PMID: 25741455
PDFはこちら

この論文はアルコールの消費量(つまり飲酒量)と肥満に関して論じたレビューのようです.

かいつまんで説明すると,

[横断研究(ある時点での肥満と飲酒量を調査)]
・飲酒とBMI(体重を身長の二乗で除した数値:肥満かどうかのチェックに用いる)には関連がない(男性),もしくはわずかな負の相関がある(女性)

・ただし,過度な飲酒と肥満や腹囲の増加(つまりデブになる)ことは関連が示唆されている(軽度な飲酒に関しては相関はなし)

[縦断研究(飲酒とその後の経過を時間に沿ってみる)]
・飲酒と肥満は男性には正の相関(つまり飲めば飲むほど太る?)が,女性では相関なし
注:飲酒の総量や身体活動などは考慮されておらず,これだけで結論は着けられない

・12年間の追跡結果では,軽度な飲酒ではむしろ腹囲やBMIは減少傾向にある

・過度な飲酒と体重増加や肥満症になることに相関がある

・しかしながら,やはり研究によって飲酒量と体重増加,肥満に正の相関があるとの報告もある(性別問わず)

・1カ月のビール消費量が(アルコール量に換算して女性の場合は12g /日、男性の場合は24g /日に相当)は、ビール非消費と比較してBMIまたは腹囲の有意な増加にはならなかった

これらのまとめはTable 1. に載っているのですが,
要するに,

ビール含めたアルコール消費量と肥満との関係はよくわからん!

ということなのでしょうか.

ふむふむ,昔から言われているビール腹なるものは都市伝説ということなのでしょうかね.

これはエビデンスもへったくれもない私見ですが,アルコールそのものが肥満をもたらすのではなく,アルコールが食欲を増進させてしまった結果,食事量が増えてしまって肥満になるのでは?などと愚考しております.

このあたりは「アルコール 食欲」でググればいつくか情報が釣れるのですが,その真偽のほどはどうなんでしょうね…

食欲増進ホルモンや食欲抑制ホルモンがーとか色々載っている記事もあるのですが,

お酒を飲むと食べたくなる仕組み

いかんせん生理学や生化学には疎くて…このあたりはもう本当にどなたかご教授願いたいです (切実)

【で,結局どうするの?】
色々とつらつら書きましたが,結論としては

飲酒はほどほどに,飲むときはあまり食べ過ぎないこと
過度な飲酒は二日酔いだけではく,肥満になることも示唆されているため避けること

でしょうかね.

なんだ昔から言われていることのままじゃん,と思われるかもしれませんが,

そういう経験的なものがエビデンスとしてある程度は証明されていることに気づいただけでも良しとしましょう.

みなさま,お酒はほどほどに愉しんで.

今日はここまで.
それでは▽

追記:
やや古い論文ですがこちらも備忘録として追記しておきます.
Overweight, obesity and beer consumption. Alcohol drinking habits in Belgium and body mass index.

あとこちらは有料論文でアブストラクトしか読めませんが,米国においても飲酒量と腹囲増加や体重増加の関連はあまりはっきりしていないようです.
(中等度の飲酒は腹囲やBMIの増加と関連があるようですが,過度な飲酒になると男性では依然相関あり,女性では有意な相関なし?)
Associations of Alcoholic Beverage Consumption with Dietary Intake, Waist Circumference, and Body Mass Index in US Adults: National Health and Nutrition Examination Survey 2003-2012.
Butler L, Popkin BM, Poti JM.
J Acad Nutr Diet. 2018;118(3):409-420.e3.
アブストラクトはこちら

ただこの論文,来年である2019年の3月には無料で公開されるようです.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5828868/