ビタミンCでシミ治療?!

pharmasahiroです.

更新が滞りました.焦らずいきましょう.

さて,今回は「シミの治療にビタミンC」です.
ためしみネットで調べてみると,いろんなサイトでシミ予防や治療にビタミンCが推奨されていますね.ざっとみただけでも数十のサイトがあります(もしくはそれ以上?)
医療の現場でも「シミにはシナール®︎でしょ」といった慣習に触れたことが,みなさんにもあるかと思います.

さて,そんなシミなのですが,
もう少し細かくいうと,例えば「炎症後色素沈着過剰症:postinflammatory hyperpigmentation; PIH」を示すこともあるようです.
(もちろん他にもいろんな疾患や怪我などもあるとは思いますが)

今日はこのpostinflammatory pigmentationとやらに対するビタミンC(正確にはL-アスコルビン酸:L-ascorbic acid)の効果を改めて確認してみましょう.

Googleにて「ascorbic acid post inflammatory hyperpigmentation pmc」で検索

【見つけた論文】
Vitamin C in dermatology.
Telang PS.
Indian Dermatol Online J. 2013;4(2):143-6.
PMID:23741676
https://europepmc.org/articles/pmc3673383#ref2

皮膚科におけるビタミンCの位置付けを論じた総説(? Drug Profileと本文1ページめ右上に記載あり),のようです.
抜粋すると,

(中略)It can promote wound healing and prevent post‑infammatory hyperpigmentation. (以下略)
ビタミンCを投与することで創傷治癒を促進し,炎症後の色素沈着を防ぐことができるだろう;can が論文にある場合,可能性を示すニュアンス)

…えええ?,これだけしか記載してないんかい!( ;´Д`)

他にも論文を探してみたのですが,例えば怪我の後の瘢痕や色素沈着に対して,ビタミンC(L-アスコルビン酸)を投与した場合と,しない場合(もしくは他薬)を比較して,色素沈着がどれくらい改善・治癒したのかを検証した論文を見つけることが(少なくとも私は)できませんでした.

投与量や投与期間に対する検証も言わずもがな.
…そういうもんなのでしょうか?あんなに頻繁に処方されるのに.

ここで注意が必要なのは,今回のように論文がない場合には,
以下に示すように少なくとも2つの可能性があります.

  1. 効果を検証することを(残念ながら)誰も行っていない
    (:経験的治療のみ,用量や治療期間などは一子相伝で受け継がれる???)
  2. 効果が明らかであり,例えばRCTなどの検証をする必要がそもそもない
    (例:肺炎治療にどの抗菌薬がどれくらい必要なのかを検証した論文はあっても,そもそも肺炎治療に抗菌薬が必要かどうかを検証した論文はない)
  1. の場合はもうどうしようもない(もしくは自分で研究するしかない?)のですが,2. の場合,少なくとも教科書には書いてあるだろう,ということが予想されます.

そこで,論文ではなく電子教科書の一つ,天下のUpToDateも確認してみたのですが,
何とPostinflammatory hyperpigmentationの項目には
(中略)アルコルビン酸(ascorbic acid)は(中略)炎症後色素沈着過剰症に対して正式に研究はされていない

…研究されてないんかい!( ;´Д`)( ;´Д`)

…これって,つまり,炎症後色素沈着過剰症へのビタミンC投与療法の現状とは,先に挙げた 1. の可能性が高いようです.

うーん,モヤモヤする.どなたかご教授を…もしくはどなたか何かいい論文・報告などあればお教えください.

皮膚科診療・薬物治療のエビデンス,もっと勉強したくなりますね.

今日はここまで.
それでは▽