デュロキセチンの疼痛緩和効果は如何程?

pharmasahiroです.

昨年あたりからデュロキセチン(サインバルタ®︎)が痛み止めとして使用され始めております.

というより,このところバンバン処方されるんですが(腰痛という主訴で),そんなにどんどん使っていいものなんですかね?

たしかに痛みが和らいだという方もいらっしゃるのですが,はてさて,定量的なところはどうなんでしょうか.

今日の昼休みはこれについて筆を取ってみようと思います.

Googleにて「duloxetine low back pain pmc」で検索

【見つけた論文】
Randomized, Double-blind, Placebo-controlled Phase III Trial of Duloxetine Monotherapy in Japanese Patients With Chronic Low Back Pain.
Konno S, Oda N, Ochiai T, Alev L.
Spine. 2016;41(22):1709-1717.
PMID: 27831985
PDF→https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5113250/

【論文要約】
P: 458 Japanese patients with chronic low back pain (CLBP)
組み入れ基準や患者背景は本文およびTable 1.参照
E: duloxetine 60 mg once daily (232人)
C: placebo (226人)
O: The primary efficacy measure was the change in the Brief Pain Inventory (BPI) average pain score from baseline to Week 14.
T: A 14-week, randomized, double-blind, multicenter, placebo-controlled study

腰痛患者に対するデュロキセチンの効果を検討した対プラセボRCT(第三層臨床試験)のようです.

The primary efficacy measure was the BPI average pain score, which measures average pain during the past 24 hours on a scale from 0 (no pain) to 10 (pain as bad as you can imagine)

BPIとは簡易疼痛質問票(brief pain inventory:BPI)のことで,もともとはがん患者さんの疼痛評価で使用されているものを今回の評価項目としているようです.
詳しくはこちらを.

【結果は何か?】
The BPI average pain score improved significantly in the duloxetine group compared with that in the placebo group at Week 14 [2.43±0.11 vs. 1.96±0.11, respectively; between-group difference (95% confidence interval), 0.46 [0.77 to 0.16]; P = 0.0026].

プラセボ比較で,疼痛スコアが有意に改善しているようです.

【批判的吟味】
結果は有意,とはいえ,BPIスコアが前後比較で2点ちょっと,プラセボ比較では0.5点未満の改善,とは一体どれくらいの臨床的意味があるのでしょうか?

痛みなど,主観的な評価項目をスコア化して評価するときにいつも思います.

どこかでどなたかがおっしゃっていましたでしょうか,

「統計的に有意だけれども,臨床的には誤差である」

という言葉を思いだしました.

【論文を読んだあとはどうする?】
プラセボ比較で有意な結果とはいえ,服用後数ヶ月を経過しても効果を感じられていないであれば,処方医に中止を打診してもよいのかなと思っております.

昼休み,おわり.

今日はここまで.
それでは▽