糖尿病の薬で痩せる?α-GIについての一考察

pharmasahiroです.

先日,患者さんから「この薬は治療というより,体重を増やさないようにと思って処方してもらっているんです」とお話をしました.

その際に浮かんだ疑問について,今日は筆を綴ってみます.(休憩時間中に)

お題:α-GIは体重現象を期待できるのか?

Googleにて「alpha glucosidase inhibitors weight loss pmc」で検索

【見つけた論文】
Comparison of three α-glucosidase inhibitors for glycemic control and bodyweight reduction in Japanese patients with obese type 2 diabetes.
J Diabetes Investig. 2014;5(2):206-12.
Sugihara H, Nagao M, Harada T, et al.
PMID: 24843762
PDF→https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4023585/pdf/jdi-5-206.pdf

【論文要約】
P: Japanese patients (n = 81) with obese type 2 diabetes (body mass index [BMI] ≥25 kg/m2), HbA1cレベルでは6.4-8.4%.
E: miglitol (n = 18), acarbose (n = 22), voglibose (n = 19)
C: control (n = 22) groups.

miglitol (150 mg/day), acarbose (300 mg/day), voglibose (0.9 mg/day) and control (no additive medication).

O: The primary end-points were HbA1c, bodyweight and BMI, as well as their changes from baseline after drug treatment.

日本人の2型糖尿病患者を対象にしたオープンラベルRCT(12週間のフォローアップ)のようです.

【結果は何か?】
Table 2. より抜粋

体重(kg) Baseline 4weeks 8weeks 12weeks
Control 69.9±14.7 69.6±14.8 69.8±14.9 69.6±15.2
Miglitol 69.0±11.1 68.5±11.1* 68.2±11.4*** 67.8±11.2***
Acalbose 72.1±11.4 72.0±11.7 72.2±11.5 71.9±12.0
Voglibose 70.8±11.3 70.5±11.3 70.4±11.1 70.2±11.0

*P<0.05, ***P<0.001 vs baseline

【批判的吟味】
そもそも糖尿病の真のアウトカムとは言えない.
そのため,通常のEBM実践においてはあまり参考にならないだろう.(ゆえにJJCLIPでも取り扱わないでしょう)

ミグリトール投与で無投与と比較して有意に体重がへった,とのことですが,
その絶対量としてもわずかなものですし,そこまで大きく喜こべるような数値でもないように思います.

結果として,たしかに患者さんの言う通り,血糖降下薬の一つであるミグリトールでたしかに体重は減るのやもしれませんが,これなら薬に頼るよりも,運動や食事療法を行うことの方が優先順位は高いと思います(それでも効果がなければ使う?ただしそれならむしろSGLT2iを使って?)

いずれにせよ,患者さんの病院からのムンテラは成功しており,コンプライアンスは良好とはいえ,なんとも「この薬が今後もこの人に必要なのか」という視点はいつも通りもっていたいものです.

お昼休み終了.

今日はここまで.
それでは▽