勉強会備忘録〜頭部外傷では低体温療法をすると予後が良いのでしょうか?〜

先日参加したEBM勉強会の備忘録です.

【シナリオ】
あなたは、救急センターの脳神経外科医である。 頭部外傷後の患者の家族がテレビで報道された低体温療法を行なってほしいと申し入れたため、主治医がその方法や有効性について相談してきた。患者は24才の男性であり、交通事故で受傷後6時間経過していた。入院時のGCS4eye 激にても開眼しない:1、verbal 挿管している 発語はない:1、movement 刺激にて除脳硬直の動き:2)であった。急性硬膜下血腫に対して血腫除去術が行なわれていた。頭部外傷の他には右上腕骨の骨折を認めるのみであった。さらに,脳圧を測ってみると27mmHgと高い圧を示していた。

【シナリオのPICO】
省略

【お題論文】
Hypothermia for Intracranial Hypertension after Traumatic Brain Injury.
N Engl J Med. 2015;373(25):2403-12.
Andrews PJ, Sinclair HL, Rodriguez A, et al.
PMID: 26444221
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26444221

【論文のPICO】【批判的吟味】
省略

【UpToDate】
急性重症外傷性脳傷害の管理
Traumatic Brain Injuryで検索して見つけた記事
誘発低体温症 – 誘発低体温は、[ICPを減少させるだけでなく、神経保護を提供し、二次的脳損傷を防ぐため、その電位に基づいて、TBIのために提案された治療であった。誘発された低体温は、心室細動心停止後の神経学的転帰の改善に有効であることが示されている

TBI後の軽度から中等度までの低体温(32〜35℃)の22の無作為化比較試験の系統的レビューでは、死亡リスク(RR 0.76,95%CI 0.60-0.97)または軽度の神経学的転帰(RR 0.69,95%CI 0.55-0.86)が、治療された1300人以上の患者のうち、有意な効果は質の低い臨床試験でのみ認められた

〜中略〜

適切な使用をめぐる不確実性を考慮すると、治療的低体温治療は、臨床試験、または他の治療法に対するICP不応性高値の患者に限定すべきである

【感想】
救急の現場に身を置いていない身としては,今回のシナリオ・論文はかなり想像力を駆使する内容となり,かなり疲弊してしまいました.
けれども,この「想像する」というところもまた自分の天井を抉じ開けるいい機会になったと前向きに捉えております.

勉強会の背景として,「NPO法人日本医学図書館協会東海地区会共催,日本薬学図書館協議会東海地区協議会協賛,NPO法人CASPjapan後援」ということもあって,図書館司書の先生がたの参加が多いEBM勉強会でした.

単なる論文抄読会ではなく,論文の「本気の」検索術についてもお話が聞けて非常に参考になりました.
図書館司書の先生がたの日々の仕事内容を知ることができたのは大きな収穫だったと思っております.診療ガイドライン作成時の論文検索・収集の苦労話なども含めて.

…ただ,自分はチューターの仕事があったので,その準備で講演はあまり聞けずに非常に歯がゆい思いがあったのですが…”事前に準備しておけば!”と反省しております.いかんいかん.

今日はここまで.
それでは▽

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